ユウシュンラン

　【祐舜欄】　那須の別荘地近くの放棄された湿地のミズゴケに小さな薄茶色の花らしきものが突き出ていた。小さな植物体には退化した葉が２枚あり、その先に数個の花をつけていた。
　花はギンランと良く似ているが、この花は薄茶色で半透明だ。唇弁にはギンランと同じような模様が見える。別荘地に戻ってスミレを探しながら敷地の脇の草地を見ていくと、同じ花が点々と見える。いずれも同じように葉は退化し、植物体全体が薄茶色でゼラチン状である。
　ユウシュンランというのがその植物の名前だった。ギンランの変種で、腐生植物に成りかかっていると説明されていた。葉緑素を失い、そのため全草がゼラチン状で半透明なのだ。
　ネット上の説明ではレッドデータブックに記載されているという、貴重種である。
（那須）
　

　ラン科キンラン属

　 Cephalanthera erecta
　 var. subaphylla

　沖縄を除く全国