スイセン(1)

　 秋の草刈の後に青白色の剣状の葉を伸ばし、12月頃から花をつけて、正月は花の盛りとなる。スイセンの名所はいくつも知られているが、名所でなくて日本中いたるところで見られる。
　最近では公園の花壇などに栽培されるスイセンはヨーロッパ原産のラッパズイセンが多いようだ。副花冠がニホンズイセンより大きく、全体に派手な印象で人気があるのだろう。私自身は地味ではあるが香り高いニホンズイセンが好きである。このスイセンも地中海地域の原産地から中国を経て日本に渡来したという。
　花は真っ白な６枚の花弁の中心に黄色の副花冠があり、やはり黄色い雄しべが見られる。スイセンの正式和名はニホンズイセンで、姿とともにその芳香が素晴らしく、さらに漢字で書く水仙の名前も美しい。
　（伊東）
　

　ヒガンバナ科スイセン属

　 Narcissus tazetta var.

　 chinensis

　関東以西