イソギク交雑種？

　秋は菊の季節である。沼津の水田の縁には薄紫色のヨメナがいくらでも見られ、秋にはいつも楽しんでいるが、厳密に言えばヨメナはキク属ではなく、Aster つまりシオン属である。栽培されている菊はイエギクと呼ばれ、これは古代に中国で作出された雑種由来で、奈良時代に日本にもたらされたという。
　イエギクは多くの品種があり、沼津でも田畑の縁や家の庭に植えられているが、実は私には区別がつかない。それもあって、ここで紹介することはなかった。ところがこの秋、田の間の荒地に咲く野生、あるいは野生化したキクの花を見つけた。花の大部分は筒状花だが、縁には僅かに舌状花がついている。中心の筒状花の部分はイソギクより大分大きいようだ。
　イソギクかイソギクの交雑種だろうと思うのだが、決め手がない。沼津はシオギクの分布域からは大分離れているのでイソギクの交雑だろうと推定している。
　（沼津）