イワタバコ

　【岩煙草】葉がタバコに似ているからと命名されているが、イワタバコ科イワタバコ属の多年草である。水分の多い崖や水の滴るような岩に生育する。同属の植物は暖かい地方に多く、イワタバコも日本では福島県以南から沖縄に分布している。葉は根生葉で、崖から垂れ下がり、夏に花茎を出してその先に数個の紅紫色の花をつける。
　萼片は白く、花冠は深く五裂し、筒部の内側に黄色い斑が見える。５本の雄しべが長く伸びた雌しべをとり囲んでいる。タバコの代用にはならないが、山菜として食べることができる。
　写真は中央公園ばじょう谷戸の池の縁で見つけた。遠いうえに日陰ときて、いささか情けない写真であるが、中央公園の植物リストとしては価値があるかと思う。
　（都筑） 　
　

　イワタバコ科イワタバコ属

　 Conandron ramondioides

　東北以南、沖縄まで