カタクリ(1)

　カタクリは昔も今も憧れの花である。40年前にプロ仕様のエクタクローム64という貴重なポジフィルで撮影した写真は今でもデジタル化して大切にしている。デジタル化したときは撮影から20年経っていたが、それでも色褪せずに健在であった。
　その後も何回かカタクリの写真を撮ったが、いずれもフィルムでだった。デジタルカメラの時代になり、この春、久しぶりにカタクリの写真を撮りたいと思い、横浜市緑区の四季の森に出かけた。
　それほど大きな群落ではないが、雑木林の林床に自生するカタクリはやはり春の妖精にふさわしく、あでやかな紅紫色の花をつけていた。カタクリの花は美しいばかりでなく、春の一時期にだけ地上に姿を現し、まもなく翌年まで地上から姿を消してしまう。これも人を引き付ける理由の一つだろう。
（横浜市緑区四季の森）
　

　ユリ科カタクリ属

　 Erythronium japonicum

　沖縄を除く日本全国