ホトトギス

　【杜鵑草】　ホトトギスは本来、野鳥につけられた名前である。同じ名前がユリ科の植物にもつけられているのは花にたくさんの紫色の斑点が飛び、それをホトトギスの斑点になぞらえたものだ。茎には笹に似た葉がつくが、花はかなり奇妙なものだ。3 枚の萼と 3 枚の花弁があり、その中に三裂した花柱とそれを取り巻く雄しべがあるが、いずれにも紫色の斑点が散っている。
　植栽されるタイワンホトトギスは花茎を出してその先に花をつけるのに対し、在来種は互生する葉の付け根に花がつく。また在来種は全体に大ぶりである。
　保存林の東斜面にあった株は残念ながらだいぶ前に消えてしまったが、毎年１０月頃に６号棟の南の林に保護された株が見事な花をつけてくれる。
　

　ユリ科ホトトギス属

　 Tricyrtis hirta

　本州、四国、九州