キュウリグサ

　【胡瓜草】　キュウリグサの名前はこの草を揉むと胡瓜のような匂いがするからだというが、私がこの草に興味を持つのはムラサキと類縁だからだ。ムラサキは根から古代紫の染料を採取するのに用いたくらいだから決して珍しい植物ではなかったと思うのだが、現在では幻の野草扱いである。近縁の植物がいくつかあり、園芸品ではワスレナグサが有名だし、野草ではこのキュウリグサが身近である。
　もう一つ私がキュウリグサに興味を持つのは半世紀も昔に通っていた高校の校章がムラサキの花をかたどっているからだ。この花はとても小さく、クローズアップにしないと花の作りはわからないのだが、実はわが母校の校章は本物のムラサキよりはこのキュウリグサの花に似ている。
　

　ムラサキ科キュウリグサ属

　 Trigonotis peduncularis

　全国