エビネ

　【海老根】　エビネの野生を初めて見たのは町田市の雑木林の中で、もう 40 年ほど前のことである。そのときは木漏れ日を受けて輝く様に感激した記憶がある。それがメゾンの保存緑地にあるのを見つけたときは大いに喜んだ。ところがいくつかあった株の大半は盗掘にあい、最後の残った株が保護されている。
　４-５月頃、新しい葉から伸びた花茎に多数の花がつく。ラン科の植物の花はキンランの項に述べてあるとおり、花は 6 弁でそのうち 3 枚は萼片、残りの 3 枚が真の花弁である。そのうち 1 枚が唇弁となり、三裂する。海老茶色をしているのは 3 枚の萼片と 2 枚の側弁である。
　幸いに残ったエビネは年々株が大きくなって、今年も立派な花をつけた。
　草丈は 40-50 cm ほどの多年草である。
　

　ラン科エビネ属

　 Calanthe discolor

　北海道西南部から沖縄まで