解　説

ホトケノザ　　シソ科オドリコソウ属　　畑の縁の明るい場所に春早く咲く。鮮やかな紅紫色の花を輪状の葉の上に伸びた花茎の上につける。輪状の葉が仏の座る蓮の葉に見立てて名づけられた。

コハコベ　　ナデシコ科ハコベ属　　同じような場所と時期に小さな花を付ける。五枚の花弁は先が割れて十枚に見える。細かい微毛が草を覆っている。

キランソウ　　シソ科キランソウ属　　コハコベやホトケノザと同じ頃日当たりのよい草地に青紫色の花をつける。ほとんど地べたに張り付いて、春の日差しを浴びている、早春の花はどれも微毛に覆われている。

レンゲソウ　　マメ科ゲンゲ属　　田起こし前の田を彩る紅紫色のマメ科の植物である。緑肥として利用されたが、今では廃れてしまった。それでも、畦には今でも残っていて、時には田んぼを赤い絨毯のように埋め尽くす。

アカツメクサ　　マメ科シャジクソウ属　　シロツメクサに対し赤い花をつけるので、こう呼ばれる。本来は牧草や家畜の飼料のほか緑肥に用いられた。

カラスノエンドウ　　マメ科ソラマメ属　　畑の縁や公園の縁など、いたるところに見られる。雑草と見なされているが、古代文明の時代には栽培されて利用されていたという。花は紅紫色で美しい。

ウグイスカグラ　　スイカズラ科スイカズラ属　　雑木林に春が訪れると、まだ他の木々の葉が出ないうちに、真っ先に花をつける低灌木である。橙色の筒状の花は五裂し、緑色の花芯が見える。

コナラ　　ブナ科コナラ属　　雑木林の主役の一つである。新芽が出る頃、小さな数珠玉を連ねたように花穂が垂れ下がる。写真は雄花で、雌花は目立たない。新芽が毛深いのと同じように、花穂も微毛の覆われている。

サルトリイバラ　　サルトリイバラ科シオデ属　　鋭い棘を持つ雑木林の蔓性植物の一つである。雌雄異株の植物で、写真は雄株である。葉と変わらない色合いの小さな花をつける。

シロバナマンテマ　　ナデシコ科マンテマ属　　確かに白い花もあるが、この 紅色のマンテマが群れ咲くと豪華である。園芸品として江戸時代に持ちこまれたというが、マンテマの意味は不明である。

ムラサキサギゴケ　　ハエドクソウ科サギゴケ属　　以前はゴマノハグサ科に分類されていたが、新しい分類ではこの科に移された。湿った土地や田植え前の田んぼによく見られる。トキワハゼとは同属である。

ヒメスミレ　　スミレ科スミレ属　　ヒメスミレは乾燥に強く歩道の敷石の隙間に根を張って群生し、毎年美しい花をつけてくれる。名前の通り小さな紫色の花をつけるスミレである。

トキワハゼ　　ハエドクソウ科サギゴケ属　　同属のムラサキサギゴケとよく似て、同じように田んぼなどに生育する。花がだいぶ小さいこと、花弁の色が白く、黄色い斑点模様が違うことで区別できる。花期も長い。

アカバナ　　アカバナ科アカバナ属　　水田の脇の水辺に咲く小さな花。アカバナ科にはヒルザキツキミソウやユウゲショウなど華やかなものが知られているが、科の名前になったアカバナは地味な淡紫色の花である。

キキョウソウ　　キキョウ科キキョウソウ属　　拡大写真ではキキョウによく似ているが、実は小さな花である。人間の肉眼ではなかなかその美しさを知ることが出来ない。北アメリカ原産で、空き地や耕作放棄地に多い。

イヌゴマ　　シソ科イヌゴマ属　　谷戸は水気が多く、土壌も肥沃で多くの野草が見られる。「イヌ」とつけられているから約に立たないのだろうが、淡桃色の色とシソ科特有の花がなんとも趣き深い。

カキドオシ　　シソ科カキドオシ属　　早春の谷戸に咲く花で、美しい淡紫色の花をつける。蔓を伸ばして地上を広がり、垣根を貫いて伸びて来るとして名付けられた。民間薬として用いられ、別称が多い。

ウリクサ　　アゼナ科ハナウリクサ属　　夏から秋にかけて紫色の小さな小さな花をつける。左右相称の唇弁を持つ花で、名前は果実に縞模様が見え、マクワウリに似るからという。

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